ロシア、キーウをミサイル攻撃 アメリカが促すウクライナとの和平協議再開への意向表明後

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ロシアは21日、ウクライナとの和平協議の再開について、「原則として用意がある」と表明した。アメリカのドナルド・トランプ大統領も、世界は戦争終結に「これまでで最も近づいている」との見方を示した。しかし、ロシアの表明から数時間後には、ウクライナの首都キーウが再びロシアのミサイル攻撃を受けた。
キーウのヴィタリ・クリチコ市長は、21日夜の攻撃で複数の住宅が被害を受け、6人が負傷したと明らかにした。
この攻撃は、アメリカのスティーヴ・ウィトコフ特使と、トランプ氏の娘の夫クシュナー氏が、仲介外交を新たに進める中で起きた。20日にウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談したウィトコフ特使は、翌21日にロシア・サンクトペテルブルクでウラジーミル・プーチン大統領と会談した。
アメリカ、ロシア、ウクライナによる3カ国協議は2月に中断した。その後、ウクライナでは西側諸国から供与された迎撃ミサイルが不足し、ロシアは攻撃を強化した。
トランプ氏は21日、「先日、ウクライナとの戦争終結について、ウラジーミル・プーチン氏と協議した。我々はそれに近づいていると思う。おそらく今が、これまでで最も近いところまで来ているのではないかと思う」と述べた。
トランプ氏はかねて、自分ならロシアとウクライナの戦争を終わらせられると繰り返し主張してきたが、これまでのところ、その実現には至っていない。
ウィトコフ特使とプーチン大統領が会談
ウィトコフ米特使は20日、ノルウェーの首都オスロでゼレンスキー大統領のほか、ノルウェーやフィンランドの首脳と会談した。その後、ロシア・サンクトペテルブルクへ向かった。
ウィトコフ氏がプーチン大統領に具体的に何を提案したのかは、明らかになっていない。ゼレンスキー氏はウィトコフ氏との会談後、ウクライナに対する「強固な」安全の保証や、エネルギーインフラへの攻撃を停止する「エネルギー停戦」について協議したと説明していた。
ロシアのユーリ・ウシャコフ大統領補佐官は、ウィトコフ特使たちが示した欧州やウクライナからの提案はさほど「有益」ではなかったと述べた。
ロシア、ウクライナ、アメリカの高官はこれまで、戦争終結を目指して複数回にわたり協議を重ねてきた。
交渉が中断したのは、9月のロシア下院選挙の最中にウクライナが「大規模な」攻撃を仕掛けたからだと、ロシアは非難した。
プーチン氏は2022年2月にウクライナ全面侵攻を開始した。ロシアは現在、ウクライナ領の約20%を支配している。

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11月に3カ国協議か
ロシアのウシャコフ大統領補佐官は21日の会談後、記者団に対し、3カ国協議の新しいラウンドが11月10日ごろにアラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビで開かれる可能性があるとの考えを示した。
補佐官はその上で、新しい協議では、「紛争終結後のロシアとウクライナのための安全保障体制の構築」に焦点を当てる必要があると強調した。
ウシャコフ補佐官によると、プーチン大統領はウィトコフ特使に対し、ロシア軍が広範な前線で前進し、「戦略的イニシアチブ」を握っていると改めて強調したという。
一方、ウクライナと欧州の同盟国は、前線は事実上こう着状態にあるとして、プーチン氏の言い分に反論している。
ゼレンスキー大統領は21日、現在の前線で戦闘を凍結する合意なら受け入れる考えを示した。
「トランプ大統領が言うように、『停戦』あるいは『殺りくの停止』としよう。(現在の前線を)凍結し、止める。これが今日、ロシアに求める最低条件だ」と、ゼレンスキー氏は米FOXニュースに語った。そのうえで、ウクライナへの安全の保証については、戦闘停止後に協議できると付け加えた。
ウィトコフ氏は、今回の会談を「建設的」だったと評価した。ビデオリンクを通じて会談に参加したクシュナー氏は、「今後も困難な作業が待ち受けているが、この戦争を乗り越え、将来の世代のために恒久的な平和と安全、繁栄の枠組みを構築する真の機会が訪れている」と述べた。
ウクライナとアメリカの対立が激化する中
今回の協議は、ウクライナとアメリカの対立が深まる中で行われた。
トランプ氏は、ウクライナは新しい大統領を迎えるべきだと主張している。最近では、「ウクライナを代表して交渉するのは別の誰かであるべきだ」とも述べている。
また、アメリカ主導によるイランとの戦争が始まって以降、燃料価格が上昇していることについて、ウクライナによるロシアの製油所への攻撃が原因だと非難している。
トランプ氏は今月9日、対ロシア制裁を解除し、ロシアが大量のディーゼル燃料を「アメリカや世界の市場」へ供給することを容認したことで、野党・民主党と一部の共和党議員から激しい批判を浴びた。
トランプ氏はこの数週間前に、ロシア産の原油や天然ガスを輸入する国に対する新たな制裁や関税措置を認める法案に署名したばかりだった。
ゼレンスキー氏とウクライナの欧州の同盟国は、トランプ氏のこうした動きを批判した。
先週にはウクライナ政府が、ロシアの弾道ミサイルがウクライナに接近していることを市民に警告するための重要な情報を、アメリカが共有しなかったと非難した。情報共有が途絶えたことで、多くの民間人が死亡したと、ウクライナは訴えた。
アメリカのマルコ・ルビオ国務長官は20日、こうした非難を「とんでもない」主張だと一蹴した。ゼレンスキー氏はオスロでの会談後、アメリカとの情報共有が「現在は機能している」と述べた。
ウクライナ軍も、アメリカの衛星通信サービス「スターリンク」に速度制限が課され、ドローンを用いた対ロシア攻撃の能力が低下したと訴えている。
米当局者は、通信速度を制限するよう要請した事実はないと否定している。米上院では超党派の議員グループが、緊急調査を求めている。
ロシア、アメリカ人男性を釈放

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プーチン氏とウィトコフ氏の会談を前に、ロシアはアメリカ人のスティーヴン・ハバード氏(74)を釈放した。ハバード氏は、ロシアとウクライナの戦争で、ウクライナ軍の雇い兵として戦闘行為をしたとして、2024年に禁錮6年10カ月の判決を受けた。
トランプ氏は、ハバード氏が「帰国の途についた」と明らかにし、釈放にあたって「『身柄交換』は必要なかった」と説明した。ウィトコフ氏は、釈放に同意したプーチン氏を前に「あなたは人道主義者だ」とたたえた。
プーチン氏を「人道主義者」と称賛することに同意するかとBBCが尋ねると、J・D・ヴァンス米副大統領は、「アメリカ人の人質を解放したばかりの人に向かって、スティーヴ・ウィトコフが好意的なことを言ったのには、同意する」と答えた。
「発言の根っこにある思いに同意するかどうかは別として、スティーヴ・ウィトコフは外交官だ。現地へ赴き、任務を果たすのが彼の仕事だ。スティーヴが何を言ったかよりも、アメリカ人の人質を家族のもとへ帰還させているという事実の方が、私にははるかに重要だ」と、副大統領は述べた。















